父の命日

父の祥月命日だったが、上２人の息子一家が来ていたので前橋のお墓には行けず、仏壇のある兄の家は今ちょっと忙しくて訪ねることも無理なので心の中で手を合わせて済まさせてもらった。もう７年たつ。
そう、父の納骨を済ませてから猫探しを始めたのだった。私が動物好きなのは父の影響だ。外資勤めの父は食べ物も洋食だし畳の生活はしなかった。当時は珍しい外国のお菓子をお土産に持ち帰り、週末は外食でテーブルマナーも父から学んだ。絵画全集を開いて様々な画家のことを教えてくれ、詩集を読んでくれ、漱石全集をそのまま読むことを勧めてくれ、辞典が欲しいと言ったら百科事典を揃えてくれた。私は父に作られたようなものだ。顔も体型も肌の色も食べ物の好みも、髪の質まで父にそっくりで、はっきり言って母は産んでくれただけで似ている部分がほぼない。母は猫が好きではなかった。
お彼岸にはお参りしなくては。