お釈迦様のお誕生日

この前の法事の際、今の時期だけお釈迦様の像を坐禅堂に置いているので甘茶をおかけしてお帰りくださいとのことでちょっと寄って皆で甘茶をかけた。お寺の幼稚園に通っていたので甘茶かけは懐かしくてちょっとウキウキする。姪が「なんかこのお釈迦様、イェーイってポーズしてる」と言うので「天上天下唯我独尊」の説明をしたら「へえー」と驚いていた。
坐禅堂の前に枝垂れ桜が咲いていて、その前で孫たちの写真を撮ったのだが、孫が「この桜、しょんぼりしてる、元気ないね」とママに言ったそうで、子供の目にはそんな風にも見えることがあるのだと新鮮な驚きだった。

どちらにしても、我々年寄りは目下の人たちにきちんと伝えておかなくてはいけないんだな、という教訓。実母は何一つ教えようとせず、わからなかったり失敗すると「そんなこともわからないの、バカじゃないの」と言う人だったので「わからない」と言うことが罪のように思いながら育った。だが大学で「わからないことは恥じゃない、わからないことをちゃんと知ろうとしないことこそが恥だ」と諭してくれた植物生理学の先生の言葉で目から鱗が落ちるような経験をして、今は「きちんと教えない大人こそ恥ずかしい」と思っている。そして、いくつになってもわからないことがあったら「教えて」と言える人間でありたい。