猫ばか日記☆ピノとレモ

我が家に来て10年になる最愛のキジトラ姉妹の日々

感慨

転居で色々捨てている。違う用事もあって写真の一部を出してきてあれこれ見ていたが、写真館で撮った息子たちの折々の記念写真もまとめて出てきた。末息子のお宮参りに写っていた父の写真を見たときは「ああ、まだ若いな」みたいに懐かしく思ったのだが、長男の七五三の母の写真を見ても何の感慨も湧かなかった。母はリウマチで動くのが困難で入退院を繰り返していたのでそれ以降の記念写真には写っていない。
正直なところ以前は見るのも嫌だったのだが、亡き今は平然と見ていられるし「そう言えばこんな顔だったな」くらいしか思わない。顎を上げて人を見下すような笑いを浮かべている表情を見て「やっぱり顔に性格出てるなー」としげしげ見てしまったり。人を下げることで己の精神安定を図っていた彼女からは人の悪口ばかり聞かされた。私が誰かを褒めると必ず貶める発言をして「あんたはお人よしのバカ」と言われた。その度、心の中で可哀想な人だと思っていたことは一度も口にせぬうちに認知症になって会話もできなくなった。つまらない母娘関係だったと思う。
それもこれも還暦を迎えて新しくリセットするこれからの人生には必要のない記憶なのでどんどん消していこう。楽しかったことだけ思い出し、ワクワクできる晩節を過ごしたいと思っている。